巡礼者宿アルベルゲに着いてからの過ごし方は、どんなものなのでしょうか?
1日の行程を歩き終わり、巡礼者宿アルベルゲにチェックインしてリュックをベッド脇に置いたら、ほっと一息つくことができます。
アルベルゲに到着後の様子を、スペイン巡礼5回経験したMiyukiがお伝えします。
朝の身支度の様子はこちら👉巡礼者の1日 朝の身支度編
夜の寝支度の様子はこちら👉巡礼者の1日 夜の寝支度編
本日の目的地の村が見えてきた!
20km以上の行程を歩き続け、前方に本日の目的地である村が近づいてきます。
教会の尖塔や家並みなどの集落が見えてきた時、
「あー、着いた!着いた! 今日泊まる村だ!」と安堵します!
その瞬間の感動を毎日毎日、巡礼中には味わうことになります。
リュックを担いで、水を飲みながら、足のマメを気にしながら、歩き通して、村にようやく到着した!という感動です。
暑い夏や、歩きにくい雨の日、寒い冬なら特にそう感じると思います。
10月ごろ、暑くもなく寒くもない秋晴れの巡礼路を歩いたことがありますが、こんなにも巡礼って楽なんだ!?と思ったことがあります。
それほど、特に真夏の灼熱の太陽の下で巡礼路を歩くのは大変なことなのです。
だからこそ、目的地の村に着いた時は本当に嬉しくて、毎日毎日達成感を感じることができます。
巡礼宿アルベルゲにチェックイン
小さな村にも幾つか巡礼宿アルベルゲはあります。
事前にアプリ等でアルベルゲの位置や値段を見て、どのアルベルゲに泊まるか目星をつけておくと良いです。
歩き疲れて、元気が残ってない日には、もうどのアルベルゲでもよくなって、村の入り口にあるとにかく最初に見つけたアルベルゲに泊まることもあります。
アルベルゲの中に入ると、受付のところにいる管理人に「今日泊まりたい」旨を伝えます。
アルベルゲに巡礼手帳クレデンシャルにスタンプを押しにだけ来る人もいます。
夏休み以外だったらベッドは空いている
夏休みの繁忙期以外のアルベルゲは、たいていのところはベッドは空いています。
夏休み以外でしたら、アルベルゲが空いているかどうかの心配をする必要はないです。
夏休みも終わり、9月も若干巡礼者は多いのですが、10月以降になると広いアルベルゲに5人だけということもありました。
逆に、5月から10月までしか営業していないアルベルゲもありますので注意が必要です。
夏休み以外は、最近は、私営のアルベルゲも増えてきているので、基本的に泊まるところの心配はいらないと思います。
夏休みは多くの巡礼者が世界中から集まるので、アルベルゲの争奪戦があります。
人気のあるアルベルゲや、サンティアゴ・デ・コンポスティーラの近くになると、とにかく早めにアルベルゲに到着して順番待ちをしなくてはいけません。
アルベルゲについて詳しくはこちら👉
巡礼宿アルベルゲの管理人に感謝の気持ち
アルベルゲがいっぱいになっていない時期でも、アルベルゲの管理人に「泊まれるよ」と言われたらホッとして、なぜか「わーラッキー!」という気持ちになるから不思議です。
巡礼手帳クレデンシャルとパスポートの提示を求められるので、手続きをしてもらっている間も、アルベルゲの管理人には感謝の気持ちが湧いてきます。
「泊まることができて嬉しい!」そんな感じです。
それから公営の巡礼宿アルベルゲの管理人は、全員ボランティアで運営されています。
私も2016年にアルベルゲのボランティアをしたことがあるからわかるのですが、管理人の仕事には、毎朝、ベッドの部屋、シャワー、トイレ、キッチン、リビング、外回りの掃除、シーツ等の洗濯、買い物等、巡礼者のチェックイン、巡礼者のお世話、イレギュラーが起こった時の対処、朝はお見送り等があります。
それらのたくさんの仕事を、ボランティアで行っているのです。
それを思うとアルベルゲの管理人の方には感謝の気持ちでいっぱいになります。
本日のベッドを確保したら まずはシャワー
宿泊料を支払って、大まかな案内を聞いたら、ベッドまで移動していきます。
寄付制の宿でしたら、お金を入れる箱にお金を入れます。
すぐにベッド脇にリュックを下ろして、そこからひとまずシャワーを浴びて汗を流す人が多いです。
たくさん歩いてきたので汗と埃で体も洋服も汚れています。
シャワーを浴びてギトギトになった体をさっぱりさせると生き返るような気持ちに。
シャワールームも、時間がずれるからか、宿泊者の割にシャワールームの数が少ないなと感じるところでも、わりと込み合うことはありません。
また、シャワーも最近は改善されてきていて、綺麗だしちゃんとお湯が出るので安心してください。
ただ、水圧はどこも弱いかなと感じますが、お湯が出ればオーケーとします。
シャワーを浴びたら洗濯を!
巡礼中に忙しいのは
洗濯をしないといけないからです。
必要最低限の服と着替えしか持ってきていないので、ついサボると着替えがなくなってしまいます。
洗濯機は3ユーロほど、乾燥機も3ユーロです。
中には何人かで洗濯機をシェアしている人もいます。
洗濯機の利用代も毎日のことですのでバカにならないので手洗いをしている人も多いです。
衣類やタオルを洗い終わったら、洗濯干し場に干します。
洗濯物はピンチで止めないと、風で吹き飛ばされることが多いです。
巡礼中の洗濯について詳しくはこちら👉スペイン巡礼中の洗濯事情
洗濯が終わって一息。続いて食事の準備
洗濯が終わったら、お昼ご飯をみんなで作ったり、外に食べに行ったりします。
巡礼宿アルベルゲにはキッチンが付いているところがほとんどです。
自炊をする人は、キッチンに何が置いてあるかを見に行きます。
どんな鍋があるか、レンジはあるか、残っている調味料は?これらをチェックしてから、アルベルゲの近くのスーパーに買い物に行きます。
アルベルゲの管理人にスーパーやお店の場所を聞くと親切に教えてくれます。
また、アルベルゲの壁に、駅やバス停、スーパー、薬局、教会等の場所を記した地図が貼ってあるところも多いです。
アルベルゲのキッチンには食料が残っていることもある
玉ねぎ、にんにく、ジャガイモや卵などはどうしても多い量でお店で売っているから、先人が残していった食料があるところもあります。
冷蔵庫の中には、使い切れなかったハムやミルク、ジュースなども残っています。
リュックに詰めて持って行きたくないので、このように残していく人が多いです。
あるアルベルゲのキッチンには、「次の人たちのために要らない食料は残していってください」と張り紙がしてあるところもありました。
ちなみに私がアルベルゲ管理人のボアランティアをした時には、綺麗好きのスペイン人が一緒だったので、汚いかもしれないからと言って、使いかけのものは毎日捨ててしまいました。
確かにサルモネラ菌なども怖いのでマヨネーズ等の使いかけの調味料は使わない方が良いです。
使えるものをチェックしてから買い物に出かけます。
アルベルゲで自炊
お店で食料を調達したら、アルベルゲのキッチンでお料理です。
フライパンや鍋、お皿やコップ、一通りのものと、オイル、塩などの調味料があります。
キッチンは混み合う時間帯もありますが、外食する人の割合の方が多いので、少し時間をずらせば大丈夫です。
キッチンの使い方がわからない場合は、アルベルゲの管理人に聞きましょう。
コンロの使い方や、どの布巾を使ったらいいのか等教えてくれます。
次の人が使うので、鍋やお皿類は綺麗にもとどおりにしておくと良いです。
みんな、とってもマナーが良くて綺麗にキッチンは拭きあげているようです。さすが!
外でランチを食べる人は村のBarへ
アルベルゲの近くには必ずと言っていいほどBarがあり、奥のレストランでランチ、ディナーを食べることができます。
スペインには「
メヌー」というセット料理があるので、巡礼者はほとんどそれを食べています。
「メヌー」について詳しくはこちら👉
ランチが終わったら 昼寝や村の散策
ランチも食べてお腹いっぱいになったら、昼寝をする人や、村の散策に出かけています。
村の中の教会を見に行ったり、うろうろと村の中を歩くのですが、どの村も石畳で古い建物ばかりなのでとっても雰囲気が良いです。
写真を撮ったり、他のアルベルゲに泊まっている巡礼者と会って話をしたり、お店で買い物をしたりと思い思いに過ごします。
アルベルゲのリビングはゆっくり
アルベルゲに戻ると、リビングでは食事をしている人、スマホを見ている人、ガイドブックを見て明日の行程を考えている人、談話している人などそれぞれです。
また、アルベレルゲの庭など外の椅子に座ってくつろぐ人も多いです。
巡礼者の中には、スペイン人とか特に、巡礼を何度も経験している人がいるので、翌日の行程の情報を聞いたりすることができます。
アルベルゲではWifiも使える
アルベルゲにはWifiも飛んでいるので安心してください。
巡礼者はアルベルゲに着いたら、まずはWifiをつなぐことを真っ先にやっているようです。
巡礼路でもスマホがないと生活できない時代です。
つい何年か前までは、巡礼に出発すると社会の動きから遮断されると言ってたらしいです。
巡礼者の生活はなかなか忙しい
このように、洗濯、食事とやることはいろいろあって、ちょっと忙しい巡礼生活です。
就寝時間も早いので、おしゃべりしていると、シャワーを浴びる時間もなくなるほどです。
私は、おしゃべりに夢中になり消灯の時間になってしまい、夜シャワーを浴びることができなかった事も何回かありました。
ちょっと不便だけど楽しいアルベルゲの生活をぜひ楽しんでみてくださいね。